パワハラ防止対策法について

2020年4月17日

今回の労務トピックは、令和2年6月に改正となりますパワーハラスメント防止対策法についてご紹介させていただきます。

 

【パワーハラスメント防止対策法制化の背景】

法制化の背景としては、

ことが挙げられます。セクシャルハラスメントについては、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法において、法整備がなされていますが、パワハラについては、これまで法制化されておりませんでした。

 

【どんな行為がパワハラに該当するか】

◇定義 ※以下の1~3の要素をいずれも満たすもの

1.職場において行われる優越的な関係を背景とした言動

(例)

2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

(例)

3.労働者の就業環境が害されるもの

(例)

※適正な範囲の業務指示や指導についてはパワハラにはあたりません。

 

【講じなければならない雇用管理上必要な措置とは】

パワーハラスメントを防止するために下記のような措置をとらなければなりません。

 

1)事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

職場におけるパワハラの内容、パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること。そしてパワハラを行った者には厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発することが必要とされます。

 

2)相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

相談窓口になる担当者を定めて、労働者に周知します。相談窓口になった担当者は、パワハラに該当するか微妙な場合であっても広く相談に乗るようにしてください。

 

3)職場におけるパワーハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応

事実関係を迅速かつ正確に確認。(事前に相談シートや事実関係表を作成しておくと良いです。)被害者に対して配慮しつつ、引き離しの措置、加害者の謝罪、メンタルヘルス不調の相談対応などの措置を行います。

 

4)あわせて講ずるべき措置

パワハラの相談をしたことを理由として、不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、労働者へ周知・啓発をします。

 

【罰則について】

直接の罰則規定はありませんが、厚生労働省の勧告の対象となる上、この勧告にも従わない場合は、その旨を公表することも予定されています。

 

いかがでしたでしょうか?

補足としましてはパワハラに該当するかどうかは、

「被害者がパワハラと思えば、全部パワハラになる」という訳ではなく、経緯や状況なども見て総合的に判断されます。たとえ相手に問題行動がみられる場合であっても、人格を否定するような言動はしてはならないとされています。

部下(同僚・上司)とコミュニケーションをとる場合、「感情的になりすぎないようにしよう」という気持ちを、お互いがほんの少し持っておくだけでも、パワハラによる紛争などは回避できるのではないかと思います。

ハラスメント対応についてご相談などございましたら、チェスナットにご連絡ください!

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